「はなす」「はかる」「つくる」「あわせる」そして、からだリラックスで眠れて朝を迎える笑み。
西川リビングFITLABOシステム導入
睡眠環境診断士/ピローフィッター
たばこは吸わない2代目店長岡田です。
当店まくらと眠りのお店いろはが取り扱う真綿布団は、近江真綿職人である北川茂次郎さん、みゑ子さんご夫婦が手引きされている真綿布団です。その北川ご夫婦が、NHKプロフェッショナル仕事の流儀「夫婦の流儀スペシャル」に出演されました。
滋賀県米原に北川茂次郎さんの工房がございます。
戦時中、真綿はその保温性の高さから軍洋服として重宝されました。
この地域での養蚕業は盛んで多くの製品が作られていましたが戦後、化学繊維や安価な中国産に押され養蚕業は衰退。全盛期400件あった真綿の製造所も今では3軒のみとなっております。
近江真綿職人:北川茂次郎(86)
近江真綿職人:北川みゑ子(80)
北川茂次郎夫婦が滋賀県米原市(まいばら)で作る真綿布団の仕立ては300年前の技術を今に継承しており、日本最高級クラスと言われ100万円以上の値がつきます。とにかく保温性に優れ、放湿性、ドレープ性、柔らかくて、とにかく軽く、ほこりが出ません。日本ならではの春夏秋冬と高温多湿の風土に一番適した布団が手引き真綿布団なのです。
真綿布団のもとになるのは蚕の繭です。
一枚の真綿布団を作るのに繭玉が約4000個を使います。(※1キロの手引き真綿布団の場合)
真綿布団作りは、まず繭を煮ることから始まります。煮る時間は約2時間。
茂次郎さんが煮た繭を剥くのは、妻のみゑ子さんの仕事です。
まず、繭が薄くなっているところを指先でみつけて蛹(サナギ)を取り出します。
(※画像:黒いの=蛹(さなぎ)
蛹(サナギ)を取り除きました。
蛹(サナギ)を取り出すと、次にぬるま湯の中で薄く引き延ばし四角い木枠に掛けていきます。この工程を数回繰返します。この真綿作りも300年前から変わっていないそうです。厚みが出ないように平らに伸ばすのは見た目より難しいのです。
真綿を三日かけて乾燥させ角真綿となるのです。
乾燥させた角真綿を夫婦二人で整えていき、いよいよ手引き真綿布団作りとなります。
手引き真綿布団作りは、30センチ四方の角真綿を極限まで引き延ばし重ねていくのです。
繭一個の糸の長さは、1300メートル~1500メートルもあるのです。
夫婦ならではの、阿吽の呼吸で角真綿を引いていきます。全て一本の糸で繋がっているので綿わたみたいに糸切れして、わたホコリが出るということはございません。
親指と人指し指で真綿を掴み、残りの三本の指の力で(中指、薬指、小指)真綿の厚さにムラができないよう調整するのです。1キロの真綿布団を作るのに300回手引きするのです。
長年、指に引っかけてきた糸のせいで関節は曲がってしまっています。
力を込め茂次郎さんが真綿を引き、また力を込めみゑ子さんは抑えます。力加減や引っ張る方向など確認し合わないと言われます。まさに阿吽の呼吸です。結婚して55年これが二人で極めた夫婦の技なのです。
まくらと眠りのお店いろは店長岡田も、北川茂次郎さんの工房:近江真綿工房に行って北川親父と真綿を引いて一枚の手引き真綿布団を完成させていました。こっちは、ふとんの販売歴は長いですが職人歴はございません。北川親父がリードしてくれますが・・・なかなか呼吸が噛み合わず、思わず北川親父が苦笑い・・・。そんな私もどうしていいか分からず苦笑い・・・。
今では懐かしく、この写真を見るたびに私は一人苦笑いしております。
まさに、魂を込め一枚一枚作られている北川茂次郎・みゑ子夫婦が作る手引き真綿布団は我が日本国が誇る最高傑作品と言えるでしょう。
化学繊維や安価な中国産が出回り、養蚕業が衰退したと冒頭にも書きましたが、もちろん中国産の真綿布団も日本に出回っております。しかしプライスネームには手引き真綿布団と書かれているのです。それならばプライスが安い方が良いに決まっている!と購入されている方も多いでしょうが、手引き真綿布団と名が付けどどれも同じか?と言えばどれも同じではございません。
一枚の真綿布団を作るのに300回丁寧に手引きをするからこそ、ゴアゴア感がなく、柔らかく、ドレープ性に優れることで肌沿いがよくなり、たっぷりと空気を含み、保温性はもちろん、放湿性に優れ蒸れ感を解消。また人間と同じタンパク質でできているので肌が弱い方でも安心してお使い頂けます。